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バラの冬剪定【つるバラ 編】

 バラの冬剪定【つるバラ 編】

ピエール・ドゥ・ロンサール

バラは冬の間に落葉し休眠しますが、その間がどのバラも強剪定や植え替えなど、強い作業ができる時期となります。
うち、つるバラは初冬の時期に冬剪定をしてしまいましょう。
ここでは、ピエール・ドゥ・ロンサールを例に私なりの剪定の仕方をご紹介したいと思います。

なぜ冬剪定を行うの?

冬剪定を行う主な理由は以下のとおりです。
  • 花付きをよくするため
  • 誘引により見た目をよくするため
  • 古い枝を落とすことで翌年新しい枝を出しやすくするため
  • 通気性を確保するため
つるバラは、その年に伸びた若い枝が冬を越した翌年に多くの花を咲かせる傾向があります。(一季咲きの場合)
古い枝からは花が付きにくくなるため、そのような枝を落とすことで若い枝に養分を集中させることができ、結果的に若い枝によい花をたくさん咲かせることにつながります。
また、枝を多く残し過ぎると枝や葉が混み合って通気性が悪くなり、虫や病気の被害に遭いやすくなる場合がありますので、それを防ぐ意味でも冬剪定は重要な作業です。


つるバラの冬剪定の適期は?

バラの冬剪定の適期は、ズバリ12月です。(暖地地方基準)

全般的にバラは休眠している冬の間なら剪定ができますが、つるバラに関してはあまり遅くなると枝が固くなるため、しなやかさが残り誘引がしやすい12月行うようにしましょう。
ただ、最近は暖冬傾向にあり休眠時期が後ろずれしているケースもあります。
それでも遅くとも1月中には冬剪定を済ませた方がいいと思います。

私の住まいの地域は耐寒性ゾーン9aですが、毎年12月下旬に冬剪定を行うようにしています。


つるバラの冬剪定の基本的な考え方

私は以下の基本ルールに則って冬剪定を行っています。

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① 葉は基本的に全て落とす
② 枯れ枝・細い枝・花芽のない/少ない枝は切り落とす
③ ②の結果、残す枝がなくなったら根元から切り落とす
④ 残す枝の先端は、鉛筆太さまで切り戻す
⑤ 全体を見て混み合った枝の中から古い枝・樹勢の弱い枝を切り落とす
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準備物

剪定には以下のものを用意しましょう。
  • 革手袋
  • 剪定鋏
  • 剪定のこぎり
  • 切り口の保護剤
バラはトゲがありますので、怪我をしないよう革手袋は必須ですね。

私の愛用する剪定鋏はこちら↓です。
切れ味抜群で握りやすく、持ったときのバランスが良くて疲れにくいです。

枝が太い場合はのこぎりを使用します。片手で扱える小型のものがよいです。

太い切り口には病原菌が入らないよう、保護剤を塗ります。
私は「カルスメイト」を愛用しています。

① 葉は基本的に全て落とす

ピエール・ドゥ・ロンサールの冬剪定前
葉を取り除くことで、
  • 強制的に休眠させる
  • 剪定をしやすくする
  • 既に持っている黒星病などの病気を極力取り除く
  • 枝の異常を発見しやすくなる
ことが期待できます。

右の写真は葉を全て落としてはいませんが、慣れてくると全て落とさなくても迷いなく剪定できるようになります。
それができる方は、最終的に葉は全て取り除くことになるので、無理に全て葉を落とさなくても大丈夫ですよ。

② 枯れ枝・細い枝・花芽のない/少ない枝は切り落とす

ピエール・ドゥ・ロンサールの枯れ枝
まずは、右の写真のような、絶対に花を咲かせない「枯れ枝」を落とします。
次に「細い枝」「弱々しい枝(古すぎる枝)」を落としていきます。


ピエール・ドゥ・ロンサールの細すぎる枝をカット
どのくらい細い枝を落とすの…?ですが、
  • 大輪の花を咲かせる品種: 鉛筆太さ以下はカット
  • 中輪系の花を咲かせる品種: 割り箸太さ以下はカット
  • 小輪系の花を咲かせる品種: 太さはそんな気にしなくていいかな…

というイメージです。

今回の例で取り上げる「ピエール・ドゥ・ロンサール」は大輪系になりますので、鉛筆太さ以下は不要な枝となります。
右の写真のような細すぎる枝は付け根からカットしていきます。

③ ②の結果、残す枝がなくなったら根元から切り落とす

ピエール・ドゥ・ロンサール 根元からカットする枝
不要な枝を整理すると、中には残す枝がなくなって・花芽もないような枝が残ることがあります。
そのような枝からはよい花を咲かせる期待はかなり薄いので、根元から切り落としてしまいます。





④ 残す枝の先端は、鉛筆太さまで切り戻す

ピエール・ドゥ・ロンサールの残す枝を鉛筆太さまで切り戻す
残す枝の先端は、鉛筆太さ以上となる長さまで切り戻します。
その際、花芽の少し上でカットようにします。
剪定すると切り口から多少枯れこむ場合があり、それを見越して長めにカットすることで花芽の1つを枯れさせないためです。

右の写真の赤矢印の先にある、ぷっくりした部分が花芽です。

⑤ 全体を見て混み合った枝の中から古い枝・樹勢の弱い枝を切り落とす

ピエール・ドゥ・ロンサールの混み合った枝を落とす
一通り剪定し終わったら、全体を見ます。
そこで、混み合った部分は整理していきます。

例えば右の写真の写真のように、ピエール・ドゥ・ロンサールは枝のすぐ近くから他の枝が出てくることがあり、これにより枝葉が混みあうことがあります。
このような枝は、古い枝や花芽の少ない弱ってきた枝を優先的に落としていきます。


剪定が終わったら誘引を

剪定が終わったら、枝を固定できるところに誘引していきましょう。

これから伸びてくる枝葉が混みあわないよう、間隔を開けながら紐などで縛って誘引をします。
枝同士の間隔は枝の数や場所にもよりますが、20cmくらい空けた方がいいように思います。

枝が多いときは、さらに選抜して枝を間引くか、または写真のように枝をクロスさせて誘引してもいいと思います。

枝はなるべく水平方向に曲げて誘引しましょう。
最も枝の上部に花芽をつけやすいため(これを「頂芽優勢」といいます)、枝先をなるべく水平にすると枝の多くが頂点となり花が多く咲きます。


おわりに

ピエール・ドゥ・ロンサールと羽衣 剪定後
いかがでしたでしょうか?
バラは全般的に強い植物で、強剪定に耐えます。
なので、剪定はルールに則って・ある程度の回数をこなせば迷いなく剪定できるようになりますよ!

2024年冬は、ピエール・ドゥ・ロンサールを強剪定して枝数を減らし、羽衣を追加して三角パーゴラに2色植えにしました。

翌年はどんな姿になるか、楽しみです。



*** 最後までご覧いただき ありがとうございました!(#^^#) ***



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